JFE商事テールワン株式会社

よくある質問

補強土(テールアルメ)壁工法 設計・施工マニュアルの第4回改訂版が平成24年8月に発刊されたのに伴い、技術情報の見直しを行っております。
以下の資料は第3回改訂版(旧版)の内容です。予めご了承ください。

設計
Q1. テールアルメはどのような用途に用いられますか?

テールアルメは壁面を持つ垂直な盛土を構築できることから、従来のコンクリート擁壁と同様の用途で用いられます。
具体的には、道路、鉄道、造成の盛土から、水辺構造物や橋台としても適用されています。
道路土工擁壁工指針にはテールアルメが、コンクリート擁壁の分類に位置付けられています。
また、宅地造成等規制法上の大臣認定擁壁としての「テールアルメ擁壁」があります。

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Q2. テールアルメで構築可能な壁高は最大何mですか?

テールアルメの工法原理から申し上げると何mの高さでも構築可能です。
しかし地盤に対する影響や、ストリップ(補強材)の強度、壁面の鉛直耐力の問題から、実際には構築可能な壁高は決まってきます。
一般財団法人 土木研究センターによる「補強土(テールアルメ)壁工法 設計・施工マニュアル」における適用壁高範囲として盛土高さ20mまでと規定しております。それを超える壁高への適用は、【マニュアル適用外】となります。

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Q3. 地震時の検討方法について教えてください。

テールアルメは国内外における大規模地震や実験結果から、地震時に通常の土構造物や抗土圧構造物と異なる挙動を示し、非常に高い耐震性であることが確認されています。
公益社団法人 日本道路協会「道路土工 擁壁工指針」には、高さ8m以下の通常の擁壁では地震時の安定検討を省略しても良いことになっていますが、テールアルメは基本的には壁高によらず地震時の検討を行っています。
一般財団法人 土木研究センター発刊「補強土(テールアルメ)壁工法 設計・施工マニュアル」では、幾つかの実験結果より、地震時の増加土圧力は最下段ストリップの応力度に1.4と設計水平震度を乗じた値を、主働領域は設計水平震度を基に盛土側へ拡大させたものを用いています。
技術情報ライブラリ内に関連文書「補強土の耐震性能」、「テールアルメの耐震性と壁面の変位について」、「地震時土圧力」がありますので、そちらも御参照ください。

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Q4. テールアルメ直上への防護柵の設置方法は?

テールアルメ壁の天端に防護柵を設ける場合は、平成11年3月に改訂された公益社団法人 日本道路協会「道路土工 擁壁工指針」に規定された「補強土擁壁に通常使用する壁面材は薄厚のため、ガードレールからの衝撃力や遮音壁などによる死荷重を支持することができないため、これらの付帯構造物を壁面工に直結させないことを原則とする。」との規定により、壁面とは独立したL型の防護柵基礎を設けるか、もしくは壁面から1.5m程度離した土中埋込式の防護柵を設けるものとしています。
マニュアルには、独立式の防護柵基礎の参考断面図と安定計算例が示されています。
また、平成15年2月JFE商事テールワン・和光コンクリート工業の共同実験としてB・C種相当の車両衝突実験を行い、実物大テールアルメの影響計測を行い、安定度の確認を行いました。
詳細につきましては、技術情報ライブラリ内の「路肩防護柵用L 型基礎について」、「交通車両の衝突による壁面材の影響及び壁面材の補修・修復について」をご参照ください。

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Q5. テールアルメ直上への遮音壁や照明柱の設置方法は?

遮音壁等をテールアルメ直上に設置する場合は、前述の防護柵と同様に天端に壁面から独立したL型の基礎を設けるか、独立した支柱基礎を壁面から1.5m程度離した位置に設けるなど、壁面に直接荷重影響がかからない配慮が必要となります。
通常の道路に用いられる場合は、公益社団法人 日本道路協会発行「道路土工 擁壁工指針」に「補強土の壁面材は薄厚であるため、ガードレールからの衝撃力や遮音壁などによる死荷重を支持することが出来ないため、これらの付帯構造物を壁面工に直結させないことを原則とする。」とあるため、独立したL型の基礎を設けることとしています。

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Q6. テールアルメの設計手順を教えてください。

内的安定として、補強材(ストリップ)が引抜けないか、補強材が破断したり、補強材の連結ボルトが切損されないかの検討を行い、補強材の配置を決めます。
外的安定としては、補強領域の安定に関する検討(壁面直下支持力、盛土直下支持力、滑動、転倒)、円弧すべりに関する安定性の検討を行います。
基礎地盤が軟弱な粘土層を含む場合などは必要に応じて圧密沈下に関する検討を行います。詳しい設計手順については、マニュアルをご覧いただくか、技術情報ライブラリ内の「テールアルメの設計概要」をご参照ください。

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Q7. テールアルメの盛土材料の適用範囲を教えてください。

補強材(ストリップ)と盛土材とが良好な摩擦効果が発揮される、せん断抵抗角(内部摩擦角)の大きい盛土材料です。マニュアルの規定では、細粒分の含有量が25% 以下の土質材料を良質と判断し、細粒分の含有量が35% 以下の土質材料を、必要な調査を実施したうえで、慎重な設計・施工を行うことが重要としています。
固化材による改良土を使用することなどにより、粘性土に近い土質から礫質土まで広く使用することが出来ますが、排水性が落ちることや補強土壁本来の特性である柔な構造に影響への懸念から慎重な検討が必要となります。
技術情報ライブラリ「テールアルメ工法盛土材の適用範囲について」もご参照ください。

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Q8. 盛土材料に岩ずりは使用できますか?

使用可能です。
ただし施工重機の走行や、乾燥湿潤の繰り返しにより細粒化(スレーキング)するものを適用するには注意が必要であり、「岩のスレーキング試験」によるスレーキング率が30%以下、かつ「3×92突固め後の粒度試験」結果の細粒分の含有量が25%以下である必要があります。
また締固めの施工面から粒度調整や目つぶし材の投入などの考慮が必要となる場合があります。
詳細は技術情報ライブラリ内の「岩ずり盛土材料の使用法」をご参照ください。

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Q9. 盛土材料として使用できないものや注意が必要なものを教えてください。

鋼材である補強材(ストリップ)の耐久性に影響を及ぼす恐れのある、腐植土や強酸のものは適用できません。
また細粒化(スレーキング)しやすい盛土材料も、補強材と土との摩擦効果に影響があるため注意が必要です。またマニュアルの規定では、「腐食性が少ない盛土材料の目安としては、pH については、5~12の範囲、また電気比抵抗ρ(単に比抵抗ともいい、伝導率の逆数である)については、5、000Ω・cm 以上としてよい。電気比抵抗が5、000~1、000Ω・cm の場合、腐食性は中~やや激しいとされるため防食対策を充実するのがよい。1、000Ω・cm 未満の盛土材料は腐食性が激しいため使用してはならない。」とされています。電気比抵抗が5、000~1、000Ω・cm の場合、溶融亜鉛めっき仕様HDZ50の補強材を採用することにより、防蝕対策に配慮しております。詳細については、マニュアルをご参照頂くか、技術情報ライブラリ内の「盛土材料」をご参照ください。

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Q10. 必要な盛土材料の土質試験を教えてください。

基本的には「粒度試験」による粒度分布、細粒分の含有量の確認が必要です。
粒度試験のみの場合は、設計において土質分類による標準的な土質定数を用いますが、三軸圧縮試験を行うことにより設計定数の設定や確認を行う場合もあります。
■補強土壁に適用する盛土材料に関して。
a)盛土材料のc、φ、γ等の力学的性質。
b)粒度特性、コンシステンシー特性、土の分類、土粒子の密度、自然含水比、締固め特性。

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Q11. 水砕スラグなどの産業副産物を盛土材料として適用できますか?

補強材(ストリップ)の耐久性に影響を及ぼす恐れのある性質でければ適用可能です。
設計においては適正なせん断抵抗角や単位体積重量などの設計定数だけでなく、水硬性があるかなどの性質も把握し、設計・施工に反映させます。
最近のリサイクル材料などの使用例は、クリンカアッシュ、ガラス発砲材など多様化しています。

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Q12. 掘削制限がある場合や、岩掘削を減らしたい場合、補強材(ストリップ)長を短く出来ますか?

補強材(ストリップ)長は計算結果を満足し、かつ壁高の割合で決まっており、一般的な最小補強材長は4mです。
しかし地山が安定している場合や、道路拡幅の腹付け盛土等の場合、補強材の本数を増して計算結果を満足させ、盛土材料を厳選し、入念な締固めを行うことを前提として、下段付近の最小長さを2.5mまで短く出来ます。
また基礎地盤が岩盤の場合は、基礎フーチングを設けることにより岩掘削を減らすことは可能です。
補強材長の詳細については、技術情報ライブラリ内の「ストリップの最小長さ及び最大間隔」を御覧ください。

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Q13. テールアルメの根入れについて教えてください。

テールアルメの根入れは、基礎部分の洗掘防止、基礎部における押込み耐力の確保、水が補強土壁下に集中したときの盛土材の流れ出しによる穴抜けの防止、寒冷地における基礎地盤の凍結の影響回避等の目的から必要です。
最小根入れ深さは、0.5mを標準とされていますが支持力、壁体の設置条件によって、より深い根入れが必要となる場合があります。詳細については、マニュアルをご参照頂くか、技術情報ライブラリ内の「テールアルメ工法の根入れ深さ」をご参照ください。

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Q14. 平面線形が曲線の場合、曲線なりに壁面を設置できますか?

壁面材(コンクリートスキン)は空積みで、隣り合う壁面材と1.5~2.0cmのクリアランスがあるため、曲線なりの設置は可能です。
また壁面材のほぞを加工することにより、かなり小さい曲率半径の設置が可能です。

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Q15. 水辺での使用は可能ですか?

細粒分の含有量が少ない透水性の良い材料を用いることにより可能です。
設計は残留水圧を考慮する場合と、残留水圧が発生しないような透水性の良い盛土材料を用いる場合がありますが、残留水圧がどの程度発生するか推定することが困難なため、後者が一般的です。
また水位低下による盛土材料の吸い出し防止のための透水防砂材の設置や、洗掘防止のための根固工や通常以上の根入れ確保が必要です。
技術情報ライブラリ内の「テールアルメ設計例(水辺テールアルメ)」も御参照ください。

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Q16. 宅地での使用は可能ですか?

宅地造成等規制法上の規制区域内においては、平成10年3月に宅地造成等規制法施行令第14条の規定に基づく大臣認定を取得しており、補強土壁工法で唯一適用可能な工法です。
しかし擁壁背後の土地の利用・用途制限があるため、詳細はお問い合わせください。

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Q17. 国内の施工実績を教えてください。

2017年現在、総壁面積約1137万m2、施工件数約4万件あります。
年間施工壁面積は、30万m2程度で、施工件数は500から1000件に及びます。
技術情報ライブラリ内に、各地域、カテゴリー別の実績表がありますので御参照ください。

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